フランス料理を学ぶ前に、、、
今回読んだ本は
”フランス料理の学び方”
という本です。
こちらの本は私の母校の創業者 ”辻 静雄”さんです。
この方なんですが、僕が入学した頃にはもうお亡くなりになられておりました。
簡単に暦を紹介します。
1933年に東京で生まれ、早大仏文科を卒業後、大阪読売新聞社に入社。
1960年に大阪・阿倍野に辻調理師学校を開校。
生徒にフランス料理を伝えながら19世紀フランス料理を中心とした研究家としてさまざまな文献、蔵書を残した方です。
今回はその中のひとつを紹介したいと思います。
結構薄くて800円くらいで手に入るのですぐに読めるかなと思ったのですが、西洋の歴史や人物の名前参考文献があまりにも多くよくこの一冊にまとめられたものだと感心しました。
まずフランス料理とは・・・
フランスの歴史のある伝統料理、高価なものというイメージがある方は多いとおもいます。
実際レストランというものができるまでは高価な料理というものは貴族の大金持ちしか食べられなかったと言います。
それもベット寝そべって左ひじをつきながら大皿に盛られた料理を自分で取り分けて食べる。
これが昔のフランス料理であったのです。
現在、皆さんのよく知るフレンチのコース仕立てというものはロシアから伝わったロシア式サーヴィスなんですね。
このようにフランスだけでなくイタリア料理、イギリス料理などさまざまな国の影響を受けてできあっがったのがフランス料理なのです。
書物は一番古いもので紀元前270年に料理について書かれていたそうなのですが、
現存するものではタイユヴァンの「ル・ヴィアンディエ」という14世紀の本が一番古いとされています。
著者はフランス料理を学ぶ時に理屈を考えていくと歴史は避けて通れないと言ってます。
ではざっくり歴史を見ていきましょう。
いっぱい名前を出してもこんがらがるので重要人物を抜粋して紹介します。
14世紀
タイユヴァン・・・フランス国王、シャルル5世、シャルル6世に仕えた料理人。
現存する最古の書物を書いている。
*フランス革命〜レストランの誕生*
この頃はたべるものがなくなり、猫やネズミなどを食べていたそう、、
貧困な人が多かったため殺し合いもよくありました。
↓
本当の貴族というものがこの時代で終わる
↓
大金持ちが少なくなっていきコックを雇えなくなる
↓
解雇されたコック達によりレストランが始まる
*レストランの始まり*
はじめはブイヨンを元気になる食べ物と言って売り出していた。
その頃は”元気になる食べ物”=レストランと言われていたためレストランを食べる場所からそのままレストランと言われるようになった。
ここで押さえておきたい料理人が、
*アントワーヌ・カレーム
*ユルバン・デュボワ
*エスコフィエ この3人です。
*アントワーヌカレーム
この時代の有名な料理人の模範となった人物
タレーランという外交官のコック長。
「19世紀 フランス料理術」という本を5冊に渡って書き残しています。
残念ながら本人は3冊までしか仕上げられなかったが弟子によって残り2冊を完成させた本です。
ここから料理自体が近代化してきたと言われています。
*ユルバン・デュボワ
フランス料理にロシア式サーヴィスを取り入れた人物。
プロシア王のコック長。
「古典的フランス料理」
エスコフィエの著書はこのユルバン・デュボワの著書を真似て作ったと言われています。
*エスコフィエ
この人物はフランス料理界で知らないものはいないというくらい重要な人物であります。
最近は知らない人が多すぎる気もしますが時代の流れというものでしょうか、、、
1846〜1935
36歳でセザールリッツ(リッツカールトンの創業者)と出会い
40年間にわたり欧米各地でフランス料理の普及に貢献した人物。
「料理人の王様であり、王様のコック長である」と称された
エスコフィエは何事にも研究、追求をする人物だったそうで、
仕事の細分化や食材の保存などにも研究をしていたそうです。
彼は以下のように言っています
「料理は簡潔な作り方で結果として最上の”味”へもっていくことがこれからの料理人に要求される条件である」
「新しく作り出された料理はわれわれすべての料理人の財産である」
このように料理人の存在意義、新しい料理を伝えることを惜しまず伝え、
料理人の地位の向上にも貢献したのではないでしょうか。
そんなエスコフィエの残した著書は
「レペルトワール」・・・7000種以上の料理を掲載した料理本
〜ここまでみて今の料理人のするべき使命とは〜
著者は次のように言います、、、
「1つ1つの料理の歴史から”味”を再現し創り出す努力をし続けることである」
と言っています。
ぼくは料理人ではありませんが
フランス料理に携わっている人間として歴史を知ること、そしてそれを伝えていくことは使命なのではないでしょうか。
〜料理本が世界の中でもたくさん置かれている場所〜
パリ:ビブリオテーク・ナショナル
ロンドン:大英博物館
ニューヨーク:ニューヨーク大学医学部
すべて実際言って書物を読みたいリストに入っている場所でした。
なんとしてでも語学を習得し学びに行きたいものです。
重要な部分しかご紹介できませんでしたが、
もっとこの本には始めて分量をかいた著書やおすすめの著書、ロールキャベツの元の料理、日本ではじめて出版された西洋料理の本など、、
おもしろい内容が詰まった本なので価格も1000円を切っているので、
一度手にとって読んでいただければと思います。
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